白き息 吹きかけおるも 溶けぬ恋
2001/01/08
照れていて 冷たくなりし 電話口
指が触れ 染まりし頬を からかいて
どの人も 優しく見える 弥生の陽
春浅し 至福の暖かな 缶コーヒー
「まだ寒い」 寄り添ういい訳 嬉しくて
あの空も あの雲もみな 君の色
2001/03/11
何食わぬ 顔で言葉の 糸を引く
横顔に 隠せぬ嫌悪 見つめつつ
言葉さえ 交わす意味なき 男あり
プライドは 馬鹿げた時代遅れなり
笑顔でも 苦々し酒 胃へ下し
凛とあれ 君の声だけ 握り締め
2001/04/25
「誰とでも」 君の誤解も また楽し
2001/05/11
1人でも 歩ける自分を 憎む今
声だけで 燃え立つような 恋を知る
雨音は ビリジアンの森 湿らせて
駆り立てる 不安は電話で 消えるのに
多忙なり 分かっていても 猜疑心
「大嫌い」 涙の裏側 「ここに居て」
2001/05/24
つまづいた擦り傷のせいにして泣こう
2001/06/06
ぬるいまま気づかず干した缶ビール
風去って 倒れた夢を 立てなおす
飴色の 小さな巣守る 虫を打つ
手で砕き 傷負いたいような 華奢な月
水撫でて 微笑み戻る 朝顔よ
2001/08/23
五月晴れ君がいなくちゃ君と見なくちゃ
軒先で帰らぬ親を待つヒナ鳥
ひっそりと2002年のクローバー
その下で君が待つよなはなみずき
2002/05/08